平成14年1月3日朝刊
なひたふ新聞 電子回路が大好きな趣味人「なひたふ」のWebサイト
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maru電子回路の豆知識
第0章 基本の豆知識
第1章 部品の豆知識
第2章 個別半導体の豆知識
第3章 オペアンプ回路の豆知識
第4章 ディジタル回路の豆知識
第5章 コネクタと規格の豆知識
第6章 画像信号の豆知識
6.1 NTSC信号のタイミング
6.2 ドットクロック
6.3 同期信号
6.4 電圧レベル
6.5 色変換のお話
6.6 用語集
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平成10年2月28日発行.第三種郵便物不認可
色変換とは何か?
 光のスペクトルは連続なのですが、人間の目には所詮、赤と緑と青の3つ色の強度しかわかりません。どんなスペクトルを持つ色でも、赤と緑と青色を適切な強さで光らせれば人間の目には本物のように見えてしまいます。
 単純に考えればRGBのカラーは3次元の情報です。すると情報量が3倍に増えるわけですが、これを1次元の情報しか持たない伝送方法で、しかも伝送帯域を増やさずに送ることができるのでしょうか。

 RGBの3原色を原色信号といいます。この信号には輝度信号Yも含まれているので、これらRGBからYを引いた信号、R-Y,B-Y,G-Yを色差信号といいます
 輝度信号YはRGBをある比率で足し合わせることで求めることができます。

Y = 0.299*R+0.587*G+0.114*B

 色差信号(R-Y),(G-Y),(B-Y)輝度信号Yを使えばもとのRGBに戻すことができます。しかしこれでは4本の信号が必要になるため余計に不都合です。式の中で独立変数は3個なので3つの信号があれば事足りますから、(G-Y)は受信側でベクトル合成すれば得られます。結局、Y信号と(R-Y)信号、(B-Y)信号を送ることになりました。
 人間が細かい絵を見たときに、色の差と輝度の差のどちらの方が細かく見分けることができるかといえば、それは輝度の差です。人間の目は輝度の変化に対しては敏感ですが、色の差についてはそれほど敏感ではありません。細かい絵を伝送するということは伝送に必要な周波数帯域がそれだけ広くなるということですから、細かくない絵を送ってもよいのであれば周波数帯域を節約することができます。ですから、輝度信号はできるだけ広い周波数帯域で送り、色差信号はできるだけ狭い周波数帯域で送ろうと考えました。
 輝度信号と色差信号の関係は次の式で表されます。
Y = +0.299*R +0.587*G +0.114*B
R-Y = +0.701*R -0.587*G -0.114*B
B-Y = -0.299*R -0.587*G +0.886*B
RGB→YUVへの変換
 ところがこれをNTSC信号で送ろうとすると、電圧がオーバーフローしてしまうので、うまく遅れません。そこで、R-Yを1.14で割り、B-Yを2.03で割った信号を送ります。
Y = = +0.299*R +0.587*G +0.114*B
V =(R-Y)/1.14 = +0.615*R -0.515*G -0.100*B
U =(B-Y)/2.03 = -0.147*R -0.289*G +0.436*B

 これが有名なYUV信号です。UがB-Yに対応して、VがR-Yに対応することに注意してください。
YUV→RGBへの変換
 この変換は上の式を逆変換すれば求めることができますが、原理を知っていれば、
R=V*1.14+YB=U*2.03+Yと求めることができます。そしてYとRとBからGが求まります。
R = Y +0.000*U +1.140*V
G = Y -0.396*U -0.581*V
B = Y +2.029*U +0.000*V
YIQ信号
 人間の目には、色差を区別しやすい色と区別しにくい色があります。区別しやすいのは肌色に近い色で、区別しにくいのは青い寒色系です。そこで、区別しやすい色については映像を細かく送ることにし、区別しにくい色についてはそれほど細かく送らないことにします。こうすることで、同じ周波数帯域でも人間の目にはより精細な画像に見えるはずです。この区別しやすい肌色の色をI信号といい、区別しにくい寒色系の色をQ信号とします。
 色を二次元のベクトルで表したときに、Iの軸は(R-Y)軸から33度ずれています。また、Qの軸は(B-Y)軸から33度ずれています。
 そこで、二次元ベクトルの回転の式
x'=xcosθ-ysinθ
y'=ycosθ+xsinθ
をつかって、UVからIQへの変換を求めます。

この式にsin=0.545,cos=0.839を代入します。すると、YUVからYIQへの変換式と
Y = Y
I = -0.2676*U +0.7361*V
Q = +0.3869*U +0.4596*V
YIQからYUVへの変換式が得られます。YUVとYIQは、単に軸がずれているだけなのです。
Y = Y
U = -1.1270*I +1.8050*Q
V = +0.9489*I +0.6561*Q

YIQ ⇔ RGB の変換
 YIQとYUVの関係式に、YUVとRGBの関係式を代入しますと、
Y = +0.2990*R +0.5870*G +0.1140*B
I = +0.5959*R -0.2750*G -0.3210*B
Q = +0.2065*R -0.4969*G -0.2904*B
R = Y +0.9489*I +0.6561*Q
G = Y -0.2645*I -0.6847*Q
B = Y -1.1270*I +1.8050*Q
YCrCbとは
まだ説明書いていません。

RGB→YCrCbへの変換

Y = 0.299R+0.587G+0.144B
Cb=-0.172R-0.339G+0.511B
Cr= 0.511R-0.428G-0.083B

YCrCb→RGBへの変換

R = Y+1.371Cr
G = Y-0.698Cr-0.336Cb
B = Y+1.732Cb
(Cb/Crは-128〜127までの値、0〜255で表現する時はCb/Crから128を引く)-->