差動増幅器

回路図  差動増幅器は二つある入力電圧の差をとって増幅してくれます。オペアンプ自体差動増幅器なのですが、ここで紹介する差動増幅器は増幅度を自由に設定できます。また、オペアンプ1個で構成できるため、簡単な差動増幅が必要になるときには重宝されます。ただしこの回路はいくつかの欠点ももっています。

この回路の動作

 この回路を理解するには、V+に電圧のかかった反転増幅器を出発点に考えるとよいでしょう。
Vo=V+-(R2/R1)(V-IN-V+)
 この式で、V+の成分とV-INの成分に整理してかくと、
=V+(R1+R2)/R1-V-IN(R2/R1)
ところで、この回路の場合、V+端子にはV+INの電圧を抵抗R3とR4で分圧した電圧が加わっています。V+端子は電流が流れないことになっていますので、V+に電圧のかかった反転増幅器でいうところのオフセット電圧V+は、分圧された入力電圧V+IN(R4/(R3+R4))になります。よって、
VO=V+IN(R4/(R3+R4))((R1+R2)/R1)-V-IN(R2/R1)
 さて、この式を簡単にするために、R1=R3,R2=R4として回路を組みますと、複雑なところが打ち消しあって、
VO=(R2/R1)(V+IN-V-IN)
となります。つまり、二つの入力信号電圧V+INとV-INの差をR1=R3とR2=R4の比で設定した増幅度でアンプして出力します。

使用例

問題点

 この回路の+側の信号入力を見ますと、回路は非反転増幅回路になっています。また、-側の信号入力を見ますと、回路は反転増幅回路になっています。ということは、それぞれの欠点を併せ持ってしまう回路であるともいえます。
 このような理由から、微小信号の測定やセンサにつないだ計測の目的にはあまり使えません。この回路に入れる信号源はオペアンプの出力にしたり、出力インピーダンスの低いものにします。また、増幅度も固定で使うことになります。主に、オペアンプを使ったアナログ値の演算を行いたいときに使うとよいでしょう。
 計測を行うときにはインスツルメンテーションアンプというのを使うことになります。

次のページ

この回路はV+に電圧のかかった反転増幅器を発展させた回路の例です
この回路を発展させた回路の例として を紹介します。
オペアンプの説明トップページに戻る
電子回路の豆知識に戻る
ホームページに戻る
このWebページ上で紹介したすべての回路、情報、内容に関する著作権は私、なひたふが所有します。無断転載を固く禁じます。 (C)Copyright 1999-2000 Nahitafu
Presented by なひたふ新聞