V+に電圧のかかった反転増幅器

反転増幅器+オフセット  普通の反転増幅器はV+の入力電圧をアースして、0[V]にして使います。もし、この電圧が0[V]でなかったらどうなるでしょうか。

この回路の動作

 ここでは、V+に直流の電圧がかかった場合を想定して計算をしてみます。上の図ではV+にかける電圧を電池の記号で書いていますが、実際には電池をつなぐわけではなく、端子に何らかの直流の電圧が乗っかっていることを意味しています。
 まず、入力の抵抗R1に流れる電流を求めます。この抵抗の両端にはViとV-の電圧がかかっているので、
IR1=(Vi-V-)/R1
の電流が流れます。この電流はV-の端子から出力端子に向けて流れるので、出力端子には
Vo=V--IR1R2
の電圧が発生します。ところで、バーチャルショートが成り立っているので、
V-=V+
を代入すると、出力電圧は
Vo=V+-(R2/R1)(Vi-V+)
となります。
 この式の意味するところは、以下のとおりです。
 V+を基準にしたViの電圧を(R2/R1)の増幅度で増幅して出力しますが、出力にはさらにV+のオフセットがかかっています。このため入力の電位差を増幅する差動増幅器として使うのには難があるといえるでしょう。

 また、前ページの反転増幅器の説明で用いた電圧の関係から求めた厳密式(4)に、V+=0を代入してもこの回路の動作は簡単にもとまります。


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この回路は反転増幅器を発展させた回路の例です
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