ダイオード付き

回路図  オペアンプの帰還抵抗の部分にダイオードを入れてみると、どんな動作をするのでしょうか。

この回路の動作

 帰還の部分に抵抗やコンデンサを入れても回路は線形素子のみで作られているので、線形回路にしかなりません。しかしダイオードのような非線型素子をいれると非線型回路を作ることができます。ダイオードの入れ方にはいくつかのパターンがありますが、まずは基本的なこの回路の動作を考えましょう。
 まず、Vin>0の場合は-入力の電圧が+入力の電圧よりも高くなっているので、オペアンプの出力は負に飽和しています。すると、ダイオードは導通しません。Voはどこからも切り離された状態になっています。
 次に、Vin<0の場合はオペアンプの出力は正なのでダイオードは導通します。その時の出力を各部の電圧の関係から求めます。まずは、オペアンプの原理的な式から始まり、V-端子の電圧を抵抗分圧の式で立てます。
Vo=-AVV--Vf
V-=(ViR2+VoR1)/(R1+R2)
 これをVoについて解きますと、
Vo=-(AvViR2+Vf(R1+R2))/(R1+R2+AVR1)
 裸利得AVが非常に大きいならばこの式は
Vo=-R2/R1
となります。つまり、普通の反転増幅回路と同じです。
よって、V-が負なら普通の反転増幅で、正なら出力はOFF(ハイインピーダンス)です。
 見方によっては、ダイオードの非線形性の部分を裸利得AVで圧縮して、非線型な部分が見えないようにしているにすぎません。そのため、とても微小な電圧(μVオーダー)に対してはこの回路だけでは理想ダイオードとして使うことはできません。

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この回路は反転増幅器を発展させた回路の例です
この回路を発展させた回路の例として を紹介します。
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