1.作業前の準備
2.FPGAの半田付け最初にFPGAをはんだ付けします。FPGAはピンが0.5mm幅でたいへん細かいので、半田付けにはある程度の習熟が必要です。ここでは、FPGAを比較的簡単に半田付けする方法を紹介します。 2.1 乗せるFPGAを取り出したら、ICのピンとプリント基板のパターンが正確に重なるように、ピンセットを使って基板の上に乗せます。このとき、部品の向きに気をつけてください。XILINXのロゴの向きと1番ピンの場所は違いますので、注意が必要です。NP1003は、XILINXのロゴがもっとも格好良く見えるように1番ピンの位置が調整されているから安心です。 部品を載せたら、四隅が正しくあっているか、ICのピンがプリント基板のパターン上に正確に合っているか、再度確認してください。 2.2 仮半田付けFPGAのはんだ付けを本格的に行う前に、仮止めします。慣れてくればいきなり本止めもできますが、半田付け中にICがずれて動いてしまうとせっかく四隅を正確に合わせのが無駄になってしまいますし、最悪ショートしてしまいます。 プリント基板のパターンにはもともと薄く半田(or 亜鉛 or 鉛)でめっきがされていますので、半田ごてを当てて、ちょっと力を加えながら加熱すると、部品は軽く基板にくっつきます。この現象を用いて仮止めします。 最低2つの隅を仮止めしましょう。 これを対角線側の隅にも行います。これで軽く固定されました。 ICの足が基板のパターンとずれていないか再度目視でよく確認します。ルーペなどを使って部品の足と基板のパターンがずれていないか念入りに確認してください。もし、ずれたまま作業を進めると、ショートする原因になります。 この状態では仮止めなので、加熱しながらちょっと指で力を加えればFPGAは簡単に外れてしまいます。少しでもピンと基板がずれていたなら、FPGAをはずして、乗せるところからやり直してください。 2.3 べったり半田付け次に、ICの足に半田をべったりと盛ります。すべてのピンをブリッジするように満遍なく盛ります。ICのピンを一本一本半田付けすると結構たいへんですが、全部の足を一気にくっつけてしまうのは簡単です。ちなみに2.2で仮止めした隅から半田を盛るとずれてしまいますので、仮止めしなかったところを最初に半田付けします。 2.4 吸い取りそしたら、半田吸い取り線を当てて、余分な半田を吸い取ってください。半田吸い取り線は、真上から当てて、横向きの力を加えないのがコツです。力を加えて動かすと、ICのピンが曲がってしまいます。 このようにして、余分な半田を全部吸い取りますが、吸い取りすぎると弱くなりますし、導通も失われれてしまいかねないので、あまりムキになって吸い取らなくてもいいです。隣のピンとのブリッジが解消されれば良しとします。 なお、細かいブリッジは、こてを当てるとすっと吸収されます。半田には強い表面張力があるのです。 2.5 導通チェック余分な半田を全部すいとったら、導通チェックを行います。チェックする目的は、3.3VとGND、5VとGND、2.5VとGND間がショートしていないかを確かめるためです。FPGAのピンは、電源とGNDが隣り合っていることが多く、ショートした状態で電源を投入すると致命的です。そこで最低限電源がショートしていないことを確認しましょう。 右の写真を見ながら、横一列に並んだGNDのどこかにテスタの-棒を当て、3.3Vと5Vの所に順に+棒を当てて、チェックしてください。 次に、基板を裏返して、U1(5端子レギューレータ)の1番ピンと3番ピンにテスタを当てて2.5VとGNDがショートしていないことを確認します。右の写真を参考にしてください。 2.6 洗浄導通チェックが済んだらFPGAの半田付けは終了です。でも、ちょっと基板が汚くありませんか?それもそのはず。半田吸い取り線は、半田の流動性をよくするためフラックスがいっぱい染み込んでいますから、吸い取った後にはギトギトになってしまいます。 そこで、半田ヤニ洗浄剤の登場です。ただし、スプレーの缶に書かれているとおり、「洗い流す」という使用法どおりにやると、洗浄剤をいっぱい使う上、ICのピンとピンの間に溶けたヤニが入り込むためあまり綺麗になりません。洗浄剤をいっぱい使う割には綺麗にならず、洗浄剤が乾いたあとに溶けていたフラックスがパリパリに乾いて残って粉を吹いたようになってしまいます。 その上、周りが汚れるから机の上ではできないし、洗面所や外でやるのも面倒です。 そこで登場するのが綿棒。綿棒の先に、ちょっとだけスプレーして、洗浄液を染み込ませ、フラックスの汚れをゴシゴシと拭きとります。 この方法だと、ほんのわずかな量の洗浄液で驚くほど綺麗にヤニが拭き取れます。もし、ヤニクリーナを持っていなければ、エタノールなどでも代用できます。ただし、エタノールでは洗浄力が落ちるため、時間はかかります。メタノールでも大丈夫かもしれませんが、人体によくありません。 四塩化炭素や、フロンをつかうとすごく綺麗になると聞いたことがありますが、オゾン層を破壊するのでやめましょう。なお、四塩化炭素は人体に有害です。 クリーナーで拭き取ったら、右の写真のように綺麗になりました。汚れは綿棒に移りました。 3. その他のICの半田付けその他のフラットパッケージ部品をはんだ付けしてください。基板の表面では、FT245BMとSDRAMがあります。基板の裏面には、コンフィグROM(XC18V01)とSOP8ピンの93C46があります。0.5mmピッチの部品はないのですが、ピッチが細かいので気をつけて半田付けしてください。 半田付け後に汚れが気になるようでしたら、洗浄します。 4. チップ部品の半田付け4.1 順番細かい部品を半田付けしてください。次の順番で行うと楽にできます。
4.2 半田付けのコツチップ抵抗やコンデンサなどを半田付けする際には、まずパッドの片方に半田を盛って起きます。この時、半田はあまり加熱せずに、フラックスが若干残っているようにします。光沢があればOKです。鈍い灰色になっていたら、新鮮な半田を足すか、吸い取ってからやり直してください。半田を盛っているほうに、ピンセットで部品を寄せて半田付けします。盛っている半田にはフラックスが残っていれば、比較的簡単にくっつきます。これで片側が固定された状態になります。 残りの側を半田付けします。半田付けしたら、再度両側を加熱したり、追加で半田を盛ったりして光沢を出し、余分な半田を取ります。 これで、チップ部品の半田付けは完了です。チップトランジスタや、電源ICでもこの方法は使えます。 4.3 部品の識別部品の識別ですが、チップコンデンサは0.01μFと0.1μFは、見た目では区別がつきません。袋から取り出したら、コンデンサが1個の方が0.01μFです。コンデンサと良く似ていますが、透明な袋に入っているのはチップEMIフィルタです。コイルのような部品で、ノイズをカットしてくれます。 黒い袋に入っているのは、チップダイオードとチップトランジスタです。これはピンの数で見分けがつくでしょう。 透明な袋に入ってるちょっと黄色い透明な部品は、チップLEDです。よく見ると茶色い点が見える方がカソードです。右の写真では、左側がカソードです。 裏返すと緑色の矢印が見えます。細い方がカソードです。 4.5 タンタルコンデンサの極性タンタルコンデンサは、極性を間違えると、ショートして壊れます。タンタルコンデンサは白い線が入っているほうが+ですので、間違えないようにしてください。4.6 チップダイオードの極性基板の表面、右側にチップダイオード(D5)を半田付けする場所があります。このダイオードは線のあるほうがカソードですので、右の写真のようにつけてください。4.7 チップLEDの極性チップLEDは、カソード側、すなわち茶色の点が見えるほうが、上になります。4.8 抵抗の値抵抗の値は、刻印されていますが、細かいのでルーペで見ましょう。5. そして完成へ5.1 大物部品の半田付け水晶発信器、セラミック発振子、USBコネクタをつけます。5.2 再度導通チェックすべての部品を半田付けしたら、完成です。再度、3.3V、2.5V、5.0VとGND間がショートしていないことを確認してください。5.3 最終洗浄また、綿棒とヤニクリーナを使って、余分なフラックスを拭き取ってください。5.4 外観検査次の写真を参照し、外観を検査してください。OKならば、完成です。 |