◆加算回路
加算回路はオペアンプのバーチャルショートを見事に利用した回路です。この回路をうまく使えば加算減算がオペアンプを使うことで電気的に行うことができるようになります。
◆この回路の動作
電圧の足し算回路を作ろうとして右の図のような回路を組み立ててもうまく動きません。なぜかというと、信号の交わる点の電圧が一定ではなく、3つの信号が他の入力に流れ込み、影響を及ぼしあってしまうからです。
そこで、オペアンプを使うとうまく行きます。オペアンプを使った反転増幅器の特徴であるバーチャルショートによって、信号の交わる点の電圧が常に0Vになるので、入力信号が他の入力に流れ込むことはなくなります。
3つの入力端子から抵抗を通じて流れてきた電流はキルヒホッフの法則で足し合わされます。
I=IR1+IR2+IR3
ただし、それぞれの抵抗を流れる電流は、
IR1=V1/R1
IR2=V2/R2
IR3=V3/R3
です。そして、この電流は抵抗R4を通じて出力端子に流れます。こうして出力端子の電圧は
Vo=-(R4)(V1/R1+V2/R2+V3/R3)
になります。
この回路では3入力の加算を例に紹介しましたが、実際には同じ要領で入力の数を変えていくことができ、2〜5入力程度の回路で実用的になります。
◆何に使うのか
信号を足し合わせることにつかいます。具体的にはいろいろと例があるのですが、
- アナログコンピューティング。PID制御回路などで、P成分とI成分とD成分を足し合わせるときに便利。
- オーディオのミキサー
- 何かの電圧の微調整。荒い設定と細かい設定を足し合わせるなど・・・
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この回路は反転増幅器を発展させた回路の例です
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