オペアンプを使った電流-電圧変換回路です。フォトダイオードなどの信号を扱いやすいレベルに変換るなど、ふつうはごく微弱な電流を変換するために使われます。そのため、実装には細心の注意を払う場合も多いです。
電流を測りたいときには、抵抗に電流を流してその両端の電圧を測る方法が一般的です。数mA以上の電流測るときにはそれでもよいのですが、マイクロアンペア、ナノアンペア、さらにはピコアンペアの電流を測りたいときにはその方法ではうまく行きません。
そこで、このオペアンプを使った電流-電圧変換回路が登場するわけです。
この回路が必要になる一番よい例はフォトダイオードの出力を測ることです。フォトダイオードの原理は太陽電池のようなものですが、電流モードと電圧モードの2種類の使い方があります。電圧モードではまさに太陽電池として使う方法で、入射光の強度に応じた電圧が発生します。ただし、微弱な光では入射強度と発生電圧が比例しないという欠点があります。しかしながら応答が速いという利点もあります。
フォトダイオードを電流モードで使うときには、逆方向のバイアス電圧をかけて使います。バイアス電圧は12Vくらいでよいでしょう。逆電圧なので電流はほとんど流れませんが、光が当たると入射光の強度に比例した電流が流れます。
微弱な光では流れる電流も少ないので、感度のよい電流-電圧変換回路が必要になります。
また、この回路は抵抗値を電圧に変換する回路にも使用できます。ツェナーや基準電圧ICで作った基準電圧から未知の抵抗を通じて流れてきた電流を電圧に変換することで、未知抵抗の大きさが測れます。電流と抵抗値の関係が反比例なので使いにくいかもしれませんが、帰還抵抗を未知抵抗にするのは回路上あまりよろしくありません。帰還の部分は敏感なのであまり外部に引き回さないほうがよいからです。
ただ、この回路はよく見ると基準電圧源に対する反転増幅回路そのものです。
微弱な電流を測るこの回路であるだけに、実装には細心の注意が必要です。たとえば手垢で汚れた基板や部品はナノアンペアの電流なら平気でもれてしまいます。微小電流を測る回路ではアルコール洗浄を必ず行います。手垢で汚れていない綺麗な基板でも隣を走っている信号線から電流がもれてきてしまいます。このため、何の電流を測っているかわからなくなってしまいます。
さらに、漏れ電流を減らしたい場合はテフロン端子を使うということになります。テフロン端子の周りにはもちろんガードリングを設けます。そして、オペアンプの非反転入力端子とテフロン端子は空中配線でつなぎます。