ヒステリシス付きコンパレータ

回路図  この回路はコンパレータにヒステリシスを付けたものです。ディジタル回路ではシュミットトリガー形ともいいます。この回路がわかればシュミットトリガーの作り方も簡単にわかるようになります。

この回路の動作

 一見すると普通の反転増幅器のようにも見えますが、帰還抵抗が正の入力端子につながっています。そうすると、正帰還がかかるようになります。
 +入力端子にはV+入力電圧と出力電圧Voから抵抗でつながっているので、
(Vo-V+)*R1/(R1+R2)+V+
の電圧が加わります。
 ちょっとややこしい式ですが、意味はそれほど難しくありません。式の第一項が正帰還の効果です。コンパレータとして使う場合、オペアンプの出力はどちらかに飽和しているので、Voは+電源か-電源のどちらかに飽和しています。仮に+15Vか-15Vとします。出力が+15Vに飽和している場合、(Vo-V+)は0よりも大きいあ値ですから、+入力端子にかかる電圧はV+電圧よりも大きくなります。この状態ではV-電圧がV+電圧より大きくなっても出力は反転しません。正帰還の効果により、見かけ上の+入力電圧が増えたのです。
 逆に出力が-15Vに飽和しているときには、オペアンプの+入力端子の電圧は下に引っ張られます。そのため、V-<+になってもすぐに出力は反転しません。
 このような効果をヒステリシスといい、このような特性を持たせたコンパレータは一度出力がどちらかに飽和すると容易にはひっくり返りません。ヒステリシス分は抵抗の比で決めます。たとえば、R2=100kΩ、R1=1kΩの時には約1%のヒステリシスを持ちます。この程度の抵抗の値が実用的な数字です。

次のページ

この回路はコンパレータを発展させた回路の例です
この回路を発展させた回路の例には発振回路があります。
オペアンプの説明トップページに戻る
電子回路の豆知識に戻る
ホームページに戻る
このWebページ上で紹介したすべての回路、情報、内容に関する著作権は私、なひたふが所有します。無断転載を固く禁じます。 (C)Copyright 1999-2000 Nahitafu
Presented by なひたふ新聞