定電流回路7

 トランジスタを使ったちょっと正確な定電流回路の基本です。この回路ではトランジスタは一定の電流を吸い込む働きをします。もちろんコレクタに何もつながなければ電流は流れません。VCCから抵抗性の負荷をコレクタにつないでつかってください。

 動作原理は次のようになっています。

VB=Vz(ツェナー電圧)
VE=VB-VBE
IE=VE/R2
IE=IC+IB
IB=IC/hfe

 トランジスタのhfeはとても大きいのでIBはほとんど流れません。そのため、ICとIEはほぼ同じ値になります。また、IEはVEとR2で決まりますが、VEはVBより約0.65V低い値になっています。VBはツェナーダイオードで決まる電圧です。

 これらの関係より、Vz,R2を定めれば、コレクタに流れ込む電流を一定にすることができます。

 この回路はVCCの電圧が多少ゆれてもコレクタに流れ込む電流を一定にしてくれます。ただし、ツェナーダイオードはノイズの問題や温度係数の問題もありますので、精密な用途には向きません。もっと精密にするには、基準電圧発生ICを使ったりするとよいのですが、基準電圧をあまり精密にしても温度変化の方が問題になってきます。この回路の吸い込み電流は、トランジスタのVBE(約-2mV/℃の温度依存性あり)で決まるところがあるので、温度補償回路も工夫しなければなりません。

 また、電源電圧が変動して、ツェナーダイオードに流れる電流が変動すると、ツェナーダイオードの両端の電圧も微妙に変動します。これを解決するためにはツェナーダイオードを抵抗でドライブするのではなく、定電流回路でドライブするとよいでしょう。


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