その理由は、ベースに過剰キャリアたまってしまう、ということなのですが、早い話が 「車が急に止まれない」のと似ています。ベースに流す電流を止めてもベースにキャリアがたまっているので電流を急には止められないのです。解決するためには、ベースにたまったキャリアを高速で引き抜くか、ベースに過剰なキャリアがたまらないような工夫をします。
ベースにたまったキャリアを引き抜くために、ベースに直列にコンデンサがついています。コンデンサに加える電圧を急激にON/OFFすると一瞬だけ電流がながれます。コンデンサは急激な電圧の変化は素通しするという性質があります。このため、トランジスタがOFFする瞬間にベースから急激に電流を引き出そうとするので、高速なON/OFFができるようになります。自前でこの回路を作るときに、このコンデンサの値はカット・アンド・トライで決める以外にないのですが、数百pFあたりから始めて増減するとよいでしょう。
ベースに過剰キャリアを溜めないという方法もあります。これはベースからコレクタに向かってショットキバリアダイオードをつなぐのですが、自前でこのような回路を作ることはあまりないと思うので、割愛いたします。