スイッチ3

 トランジスタを使ったスイッチング回路です。ベースに小さな電流を流すと、コレクタ−エミッタ間が導通し、大きな電流をスイッチングできる回路です。この回路はスイッチ1の回路よりも高速なスイッチングができるように工夫されています。

説明

 基本的にはスイッチ1の回路と同じです。ただ、スイッチ1の回路は高速なスイッチング動作ができません。せいぜい数10kHz程度です。特にトランジスタをOFFしようとしてもしばらくの間電流が流れつづけてしまいます。

 その理由は、ベースに過剰キャリアたまってしまう、ということなのですが、早い話が 「車が急に止まれない」のと似ています。ベースに流す電流を止めてもベースにキャリアがたまっているので電流を急には止められないのです。解決するためには、ベースにたまったキャリアを高速で引き抜くか、ベースに過剰なキャリアがたまらないような工夫をします。

 ベースにたまったキャリアを引き抜くために、ベースに直列にコンデンサがついています。コンデンサに加える電圧を急激にON/OFFすると一瞬だけ電流がながれます。コンデンサは急激な電圧の変化は素通しするという性質があります。このため、トランジスタがOFFする瞬間にベースから急激に電流を引き出そうとするので、高速なON/OFFができるようになります。自前でこの回路を作るときに、このコンデンサの値はカット・アンド・トライで決める以外にないのですが、数百pFあたりから始めて増減するとよいでしょう。

 ベースに過剰キャリアを溜めないという方法もあります。これはベースからコレクタに向かってショットキバリアダイオードをつなぐのですが、自前でこのような回路を作ることはあまりないと思うので、割愛いたします。


もとのページに戻る
ホームページに戻る
このWebページ上で紹介したすべての回路、情報、内容に関する著作権は私、なひたふが所有します。無断転載を固く禁じます。
(C)Copyright 1999-2000 Nahitafu
Presented by なひたふ新聞