オペアンプの基礎知識

オペアンプの回路図記号

 オペアンプの回路図記号オペアンプは三角形に三本の足がついた記号で表されます。三角形の尖ったほうが出力で、その反対側が入力端子です。入力には+入力と-入力があります。どちらが上か下かは書く人の好みや気分次第です。

 オペアンプの回路図記号このほかに、電源端子やオフセット調整や位相補償などの細かな調整用端子や高度な機能を提供する端子が出ている場合もあります。電源端子を図記号に書くときには上下に、オフセットなどは右斜め上下に書くことが多いようです。

オペアンプの基本的な動作

 普通、増幅器というと、入力を何倍かしてそれを出力するものを言います。オペアンプも例外ではありません。オペアンプは増幅器の一種です。
 ただしオペアンプには+入力と-入力があり、オペアンプはこの両方の入力の電位差を増幅して出力します。電圧を入力して、電圧を出力する電圧増幅器です。しかも、オペアンプはその増幅度が極めて高いという特徴を持って、ごく普通のオペアンプでも10000倍くらいの増幅度をもっています。これをオペアンプの裸の増幅度といい、AVであらわします。

Vout=(V+-V-)AV
 ここで、Voutは出力電圧、V+は+入力端子の電圧、V-は-入力端子の電圧、AVはオペアンプ自体の増幅度(10000倍くらい)です。
 オペアンプの電圧増幅度はとても高いので、そのままでは電圧増幅器としては使うことができません。なぜなら、万が一入力電位差が0.1Vでもあると、出力が飽和してしまうからです。
 そのため、オペアンプを増幅器として使うときには負帰還という手段を用います。負帰還を用いると何万倍もある増幅度を、それ以下の好きな値に設定することができます。また、負帰還がかかっているオペアンプ回路では必ず入力の電位差が0になるという現象が起きます(実際には出力電圧の1/AVの電位差が現れるが、テスターなどでは観測できないほど小さい)。これをバーチャルショートといって、すべてのオペアンプ回路を設計するときの黄金率になります。逆にいえば入力に電位差が現れる場合は、何らかの不具合で負帰還がちゃんとかかっていない場合です。
V+≒V-
 バーチャルショートといっても、実際にはショートしているわけではありません。二つの入力端子の電位差が0に近くなるので外からみるとショートしているように見えるわけですが、二つの入力端子の間にはほとんど電流は流れません。実際にはオペアンプの入力端子は等価的にきわめて高い抵抗がつながれているので、オペアンプの入力端子に電流が流れ込むことはなく、流れ出しもしないと考えてよいのです。これはオペアンプの重要な性質のひとつです。

 以上をまとめますと、負帰還をかけたオペアンプの性質は、重要なことは次の2点です。

 これらの関係を覚えておけば、オペアンプの回路を読むことはできるようになります。
 自分でオペアンプの回路を設計できるようになるには、多少時間がかかるかもしれません。でも、それはオペアンプや電気回路に限ったことではありません。自分で設計できるようになるための一番の近道は、先人の作った回路をよく理解することです。そういうわけで、このWebページでは世に知られているオペアンプの回路を順に紹介していきます。
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