電流制限回路1

 NPNトランジスタを2個使ったへんてこな回路です。これはTR1に流れる電流を制限する回路で、アナログICやディジタルICの中で使われるほか、自前で作る電源や制御装置など幅広く使えます。

 この回路はあくまでも電流制限の基本回路なので、応用は広いです。

説明

 TR2がない場合は、普通のエミッタ接地増幅回路として働きます。この場合はTR1のベースに流れる電流のHfe倍をTR1がコレクタに流します。

 TR2があると、TR1のエミッタに流れた電流がR1で電圧降下を起こし、TR2のベースに加わります。この電圧はTR1に流れる電流に比例するのですが、十分小さければTR1には何事もおこりません。

 しかし、約0.6Vを超えるとTR2のベース・エミッタ間がONします。すると、TR1のコレクタエミッタ間もONし、TR1のベースに流れるべき電流をTR2が横取りしてしまいます。この現象が起こる条件は

I * R1 > 0.6 [V]

となっています。TR1に流れる電流が0.6/R1 [A]を超えることはできないので、電流制限回路として働きます。

 普通はこの回路では、TR1にはパワー系のトランジスタを、R1には0.1から数Ωの低抵抗をつかいます。


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