トランジスタを使ったカレントミラー回路です。抵抗の先にはGNDをつなぎ、左側のトランジスタに流した電流と同じ電流が右側のトランジスタにも流れます。電流の検出と出力はそれぞれのコレクタ端子です。
この回路は厳密には同じ電流は流しません。それはトランジスタのベースにも電流を流れるからなのですが、トランジスタのHfeが十分大きいと仮定しているのでほとんどの場合はベース電流を無視して考えています。
ICの内部等価回路を見て、この回路を見分けらるようになりましょう。
この回路を個別のトランジスタで組んだときには温度変化や個体差があるので、同じトランジスタをいっぱい買ってきて、選別して使うということになります。そのとき二つのトランジスタを張り合わせて温度を等しくするという工夫をする場合があります。
ある程度の差異はエミッタに入れた抵抗でなんとかしてくれるのですが、できればペアトランジスタを使いたいところです。ペアトランジスタは同じ性能のトランジスタが1つのパッケージに作りこんであり、熱結合もよいのでカレントミラーにはうってつけです。2SC3381なんかが安くて便利でしょう。ペアトランジスタを使った場合には両方のエミッタに入っている抵抗を省略することができます。
この回路では左のトランジスタはダイオードとして働いているので、右側のトランジスタと同じような規模のダイオードで置き換えることもできます。たとえば、2SC1815と1S1588でもOKです。