2SK241の特殊性

2SK241は内部が特殊な構造になっています。どんな構造かって?それは下の図をみてください。

なぜ?

 これはカスコード接続と言って、下のFETが増幅度1のソース接地、上のFETがゲート接地として働く回路です。実際の電圧増幅は上のゲート接地の方のFETで行います。ソース接地で電圧増幅を行うと、増幅された電圧は入力電圧と逆極性になっているミラー効果が発生してしまい周波数特性が悪くなります。また、ゲート接地はミラー効果は起こしませんが、入力インピーダンスが低いので使いにくいという欠点があります。

 これらの互いの欠点を改善するために、縦に積み重ねたのがカスコード増幅器です。下のソース接地は電圧を増幅しないのでミラー効果を出しませんし、上のFETは下のFETでドライブするので、入力インピーダンスも使いやすいレベルになっています。こうしてソース接地と同じような外部回路でも、FET本来の周波数特性を発揮できるように工夫されています。

 このように2SK241は内部に2個のFETが入っているのでドレインとソースを逆にするとまったく動作しないので、注意が必要です。常に内部等価回路を頭に浮かべながら設計するようにしましょう。このようなデバイスは高周波用のFETにはいくつかあるようです。

 それから、上のFETのサブストレートの部分がどこにつながっていたかはうろ覚えで描いています。


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