うそつきなACアダプタ?

ACアダプタ  右の写真はよくあるACアダプタです。このACアダプタには12V200mAとかかれています。このACアダプタは本当に12Vの電圧を出力してくれるでしょうか?

 その答えはノーです。ACアダプタには12Vと書かれているのに、12Vを出してくれないとはうそつきではないか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。じつは、ACアダプタに記載されている電圧は、負荷をつないだときの電圧なのです。

ACアダプタ実験回路 ためしに簡単な実験してみましょう。ACアダプタの出力に様々な値の抵抗をつないで、電圧を測定するだけの簡単な実験です。パワーのある抵抗は誤差が多いので、テスターで実測値を測って使います。電流はオームの法則から割り出します。その回路図を右に書いておきます。その結果は、

抵抗値(表示)[Ω] 抵抗値(実測)[Ω] 電圧[V] 電流[mA]
10 9.5 6.7 705
22 21 9.16 436
33 31 10.3 332
47 44 11.2 255
100 104 12.8 123
220 227 13.8 60.8
330 333 14.1 42.3
470 477 14.3 30.0
1000 1002 14.7 14.7
開放 15.6 0


 どうでしょうか。ACアダプタに何もつながないときには15.6Vもの電圧が発生しています。そして、つながる抵抗値が低いほど電圧が低くなっていくのがわかるかと思います。さらにわかりやすくするため、グラフにしてみます。 12V200mAのACアダプタの特性

 横軸は測定された電圧で、縦軸が負荷を流れる電流です。さて、お分かりでしょうか。ACアダプタに12V200mAと書かれていたら、それは200mAの電流を取り出したときに出力電圧が5Vになるという意味なのです。それ以下の電流を取り出した場合には出力電圧はもっと高くなります。
 だから、5Vと書かれたACアダプタの出力を直接TTL回路の電源に使うと、壊れます。要するに定電圧化されていないんです。

オシロで観察 200mA 次に、出力波形をオシロで見てみましょう。ACアダプタはトランスと一次コンデンサが入っているだけの電源なので、脈流を出力しています。これは定格値の12V200mAをとりだした時の波形です。1V強のリップルが出てしまっています。

定電圧回路 ACアダプタは手軽に直流電源が得られるので便利ですが、3端子レギュレータなどを使ってちゃんと定電圧化して使うようにしましょう。

スイッチング電源式ACアダプタ 最近ではスイッチング電源タイプのACアダプタも出回っています。秋葉原などでも簡単に手に入ります。特にノートパソコンの電源などで良く使われています。このタイプのACアダプタは、直流出力、定電圧出力なので安心して使えます。また、形状も平べったいので、一見して違うのがわかります。スイッチング電源なので大出力が特徴で、12V1A出力などという製品も見かけます。お値段もちょっと高めです。


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