電流渡しと電圧渡し
普通の電子回路と電子回路で情報をやり取りする方法は大きく分けて二つです。電流か電圧のどちらかで情報を伝達します。
電圧で渡すメリットは、
- 動作が理解しやすい
- 回路設計が容易
- 信号の分岐が容易
電流で渡すメリットは
くらいです。電流でインターフェースをしている代表例は10BASE-Tです。
★電圧渡し
電圧で情報を正しく伝達するためには、いくつか守らなければならないことがあります。情報としての電圧が変わってしまうことは極力避けなければなりません。
ところで、回路にはインピーダンスという概念があります。これは直流回路でいうところの抵抗を交流にまで拡張した概念ですが、オームの法則がそのまま使えます。交流の電流が回路に流れたときには、それにインピーダンスを乗じた交流電流が発生します。
V(t)=Z・I(t)
いかなる回路にも必ず(超伝導素材で作っても)少なからずインピーダンスが存在しますので、交流電圧は信号の伝達の過程で少し変わってしまいます。これを極力減らすことが肝心になるのです。
理想的な信号源は出力抵抗が0です。抵抗が0ということは無限に電流を流し出すことができると言うことでもあり、出力をアースにショートしても出力は変わりません。実際にはそんなものはあるわけがなく、世の中にある信号源は必ず出力抵抗というものがくっついています。そこで、実在の信号源、とくに電圧信号の源を右の図のように、理想的な信号源と出力抵抗の直列回路であらわします。
実際の値は、オペアンプの出力で数Ωから数百Ω程度、デジタルICの出力でも同じくらい、トランジスタ回路の出力抵抗は数Ωから数十キロΩくらいで、これらは周波数によっても変化します。これらはできるだけ低くなるように設計されています。
電圧入力回路の理想は、入力電流を流さないことです。電流が流れないようにするために入力インピーダンスは極力高く設計されています。
入力電流が流れると右の図のように信号源と入力回路の間で電流が流れます。そうすると、実際に信号を検地する部分にかかる電圧は本来の電圧の
R/(r+R)
倍になってしまいます。つまり、目減りしてしまうのです。これを避けるために出力抵抗は極力低く設計し、入力抵抗は高く設計します。
一般的な信号の伝達は右の図のようなイメージです。
電子回路の豆知識に戻る
ホームページに戻る
このWebページ上で紹介したすべての文書に関する著作権は私、なひたふが所有します。無断転載を固く禁じます。 (C)Copyright 1999-2000 Nahitafu
Presented by なひたふ新聞