インピーダンスとは何か
ご注意「基本の豆知識」関連のページはまだ書きかけです。内容は暫定的なもので、推敲もしておらず、内容の正しさも確認していません。ご注意ください。
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◆1. 電圧の分圧
◆2. 横槍を入れる
◆3. 電圧の綱引き
◆4. 無視しても良い場合
◆5. 抵抗値と良く使われる場所
R = V / I
だれでも知っているオームの法則ですが、これを使いこなせるようにならなければ自分で回路を作ることはできません。式は一つですが、使い方は二つあります。この式の入力が、電圧なのか、電流なのかが時と場合によって違うからです。
抵抗は最もポピュラーな部品です。秋葉原へ行けば0.1Ω〜10MΩくらいの抵抗は簡単に買うことができます。ざっと1億倍の値の差がある部品です。当たり前ですが、これら抵抗はすべてオームの法則に基づいて動作します。ということは、抵抗に流れる電流も用途によって1億倍くらいの開きがあるというわけです。
もし、何かの回路を作りたいと思った時に、一億倍の開きがある選択肢の中から最も適当な値を抵抗を選んでこなければなりません。どのようにして選べば良いのでしょうか・・・
それは、抵抗を使う目的が決まれば自ずと抵抗の値は決まってきます。下の表は、私がよく使う抵抗の範囲をまとめたものです。だいたい誰でもこのような感じでしょう。
たとえば、0.1Ωの抵抗を静電気対策やオペアンプの帰還に使うのは現実的ではありません。まずはこのような値の感覚をつかむことが大事です。
これが分かってしまえば、回路定数の決め方もわかります。
電気回路によく使われる抵抗値の範囲 |
0.1〜1Ω |
強電流測定用 |
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1〜10Ω |
電流制限用 |
入出力インピーダンス用 |
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10〜100Ω |
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100〜1kΩ |
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とりあえず用 |
OPアンプ用 |
時定数用 |
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1k〜10kΩ |
ベース抵抗 バイアス電流 |
ディジタル回路 プルアップ用 |
10k〜100kΩ |
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100k〜1MΩ |
微弱電流測定用 |
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静電気対策 |
1MΩ〜 |
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- 電流測定用
抵抗に電流が流れると、オームの法則に従ってその両端に電圧が生じます。これを測定するのが最も簡単な電流測定の原理です。
測りたい電流が何Aなのかによって選ぶ抵抗の値も変わってきます。たとえば、1Aの電流を測りたいときに抵抗値に10Ωを選びますと、電圧降下は10Vとなります。これほど電圧降下が大きいと電流計としてはうまく動かないかもしれません。
0.1Ωの抵抗を使えば電圧降下は0.1Vですみます。これを検出して適当なアンプで増幅すれば立派な電流計がつくれます。
では光センサーから出力された、10nAの電流を測定したい場合には抵抗の値はどのくらいに設定すれば良いでしょうか。もし0.1Ωの抵抗を使えば電圧降下は1nVですから、まず検出できないでしょう。このような場合は1MΩくらいの抵抗を使いますと、電圧降下は10mVですから、優秀なアンプを使えば検出できるはずです。
(実際には、微小電流の測定にはいろいろなノウハウが必要なので簡単にはいきませんが・・・)
一般に、電流測定に用いる抵抗の値は、
R=(0.01V〜10V÷測りたい電流値)
で決めます。これでも、すでに1000倍の幅がありますが、通常は電圧降下を1Vくらいに設定すればよいでしょう。
電圧降下を大きくすれば測りやすいのですが、抵抗の両端には常に熱雑音というノイズが発生しています。そのため、あまり大きな抵抗値を使うと測りたい電流がノイズに埋もれて測ることができません。ですから、電圧降下を低くしなければならないこともあります。そのため、微小な電流測定が目的ならば0.001Vの電圧降下でも我慢しなければならないこともあります。
- 電流制限用抵抗
抵抗の最も大きな使い道は電流制限用です。トランジスタのベースなど、電流入力型の素子は、あまり大きな電流を流すと壊れてしまいます。そのため、アナログ回路ではそこらじゅうに電流制限抵抗が入っています。
この抵抗の値は、
R > (予想される最大の電圧÷壊れる寸前の電流)×安全係数
とします。
(例1) あるアナログ回路では最大で20Vくらいの電圧を使うとします。その電圧が加わるトランジスタのコレクタ-エミッタを経由して、別のトランジスタのベースから流れ出てくるとします。このような回路の場合、もしそのベース電流が100mAくらいで壊れるのであれば20V÷100mA=200Ω程度の抵抗を入れるべきです。普通はぎりぎりでは設計せずに、すこし余裕を見て470Ωくらい入れておきましょう。
(例2) ある回路は、通常100mAの電流を流します。しかし故障すると1A流れるといわれます。ですが1A流すのは避けたいです。せめて500mAくらいに抑えたいです。回路の電源は10Vです。さあ、どうすればよいでしょう。
このような場合は、R=10V/500mAの抵抗を入れます。回路での電圧降下が2Vであれば、0.2Ωの抵抗を入れれば最悪の場合でも500mAしか流れません。
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