平成14年春 午前問題12

 平成14年の春の情報処理試験テクニカルエンジニア(エンベデッド)の午前問題の第12問の解が不明です。そこで、実際に実験してみました。その問題はこのような問題です。

問12
 8けたの7セグメントのLEDをダイナミック表示方式で表示する場合、表示のち
らつきを少なくするためには表示周波数を何Hzにするのが最も適当か。ここで、
電源周波数は50Hzとする。
ア 51 イ 75 ウ 102 エ 128

 そもそもこの問題は2つの解釈ができると思います。ダイナミック点灯で、隣のLEDに移る周期が51Hzなのか、それとも全体の表示周波数が51Hzなのかです。仮に、隣のLEDに移る周期が51Hzだとすると、1つのLEDの点灯時間は1/51=19.6msになり、8個のLED全体の更新時間はその8倍で156.9msになります。問題文があいまいなので、両方のケースで実験しました。

 この実験を行う前には、「蛍光灯が明るい時に、LEDが光っていれば暗く感じ、蛍光灯が暗い時に、LEDが光っていれば明るく感じる」と考えていました。

実験に使用したツール

 ヒューマンデータさんの、XILINX FPGA評価ボードXSP-006Bを使用しました。このボードには6つの7セグメントLEDがついていて、今回の問題をサクッと再現するのには最適だったからです。言語はVHDLで書きました。論理合成の結果はXC2S200のスライスを3%使いました。
実験機  ソースファイルはこちらです。問題文のあいまいさは、隣のLEDに移る間隔が51Hzということにしてあります。全体の表示更新周波数を51にするには、35行目の「/8」を削除してください。

maruVHDLファイル
maruUCFファイル
 XSP-006Bにある4つのスイッチを押すと、表示周波数が51,75,102,128Hzに切り替わります。

結果

 私の目では、電源周波数との相関は発見できませんでした。
 隣のLEDに表示が移る周波数が51Hz(など)の場合、ちらつくというよりも、隣のLEDに表示が移っていく様子が目で見えます。これはちらつき以前の問題です。75Hzもとても実用に耐えられるような表示ではありません。102か128Hzになれば、我慢すればなんとか見られます。

 全体の表示周波数を51Hzにした場合は、一応連続して点灯しているように見えます。ですが、目を動かしたりすると表示のちらつきが目立ちます。75Hzや102Hz、128Hzも試しましたが、蛍光灯の点滅周波数との相関関係は全く見られませんでした。ただ単に表示周波数が高くなればその効果でちらつきが減るようにしか見えません。
 よって、答えはエの128Hzではないでしょうか?